相続は、死亡によって開始します(民法第882条)。
亡くなった方(被相続人)のすべての財産は、原則として、相続人が受け継ぎます。
亡くなった方がお持ちであった不動産・動産・債権などの資産についてだけでなく、借金などの負債も、原則として、相続人がすべて受け継ぐことになります。
被相続人が亡くなった場合には、まず、遺言書の存在を確認することが重要です。
なぜなら、遺産分割協議をしたとしても、原則として、遺言書のとおりに権利義務が移転するからです。
●公正証書遺言
亡くなられた方が、公正証書遺言を作成していた場合、日本公証人連合会の遺言書検索システムを利用すると便利です。相続人等の利害関係人であれば、最寄りの公証役場で遺言書があるかないかを確認してもらうことができます。その際の必要書類は次のとおりです。
●検認
遺言書が見つかっても、そのまま開封すると、5万円以下の過料に処せられます。ですので、すぐに開封してはいけません。公正証書でない遺言書は、家庭裁判所で「検認」という手続きを受けなくてはなりません(※1)。検認をしないと、相続登記や預貯金通帳等の相続手続きが行えません。
※1 公正証書遺言の場合、検認の手続きは不要です。
遺言書検認の手続きは、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に申し立てて行います。その際の必要書類は次のとおりです。
下記の順番で、最も上位の者が相続人となります。
ただし、被相続人(亡くなった方)の配偶者(夫・妻)については、常に相続人となります。
【相続人の範囲・順位の例】
甲野和郎が死亡したときの
和郎の相続人の例
【例1】
相続関係説明図の全員が生存している場合
⇒相続人…あすか・一郎・二郎
【例2】
二郎がすでに死亡している場合
⇒相続人…あすか・一郎・三郎
【例3】
一郎・二郎・三郎がすでに死亡している場合
⇒相続人…あすか・吾郎・花子
【例4】
一郎・二郎・三郎・吾郎・花子がすでに死亡している場合
⇒相続人…あすか・太郎
相続の承認や放棄は、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければなりません。
相続財産の中で、資産より負債がはるかに多い場合などは、負債を相続することを拒絶するため、相続放棄を考えることも重要と言えます。
3か月の期間内に限定承認も放棄もしない場合、単純に承認したものとみなされる可能性がありますので、注意が必要です。
共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除いて、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができます。
つまり、相続人全員の間での協議により、法律で決められた相続分と異なる割合や方法で、相続財産を分けることができます。
必要書類を揃え、相続登記の申請を行います。
下記は、一般的な遺産分割による相続登記に必要な書類です。
この他にも、ケースによっては様々な書類が必要な場合があります。例えば、遺言書がある場合などは、必要書類が変わってきます。
戸籍等の必要書類については、当事務所で取得することが可能です。